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不慮の事故を覚悟していた兄から弟への置き手紙

兄の部屋の遺品の処理をお願いをしたいのですがと、福岡より連絡が入る。当日福岡より、40代半ばの弟さんが現地に来られた。
弟さんによると、兄が勤務する工務店より連絡が入り、高所での現場より落下した際、うちどころが悪く、お亡くなったとの事であった。

福岡市内にて、代々、材木店を営んでいる実家であったが、当初より父親と折り合いが悪かったらしい しばらくの間まったく音信不通であったが、突然兄勤務先より連絡がありおどろいていると伝えらる。勤務していた工務店の専務さんが不動産屋とともに、部屋の鍵を開けてくれた。3LDKの部屋はきちんと整理されており、玄関の扉を開けていたため近所の方がどうかされたのですかと2度声をかけられた。ご近所付き合いがよかったらしい。

遠方より、弟さんが来られている為、翌日に遺品の整理を行う。主だった荷物は箪笥、テレビを除いては衣類等も少なく又整理されていた部屋だった為時間はさほどかからなかった。きちっと整理されたテレビ台の中より、手紙が出てきた為、弟さんと確認をする。兄から弟宛の手紙であった。

実家の家業を継げず又、当時大学在籍中にもかかわらず、実家を出て行き申し訳なかった。父とも逢ってはいませんが、元気でしょうか。いずれ迷惑をかけたことに対して、侘びたいがもう少し待ってください。この手紙を書いたのは、現場仕事の為、自分に万一のことがあった際に残しました。

主だった内容はこのように記憶されている。最後に、弟さんが両親の話をされた。父は今はすでに家業は退きましたが元気です。酒を飲むとよく、兄を懐かしがり涙したこともあります。この手紙は、いずれ機会があった際に、父に渡しますと言われ福岡に戻られた。

私は、故人の方は、福岡の実家に、戻りたいと想いが強かったように感じた。